熱い三流なら上等よ…!

最近、ドラマ化された『天 天和通りの快男児』を見ました。

漫画原作のドラマってどうしても敬遠しがちなのですが、

吉田栄作が赤木しげるを演じたということで、思わず見てしまいました。

…一瞬で全話視聴してしまいました。笑

いやー、本当にかっこよかった。

 

さて、『天』という作品、そして赤木しげるといえば、

原作でもっとも熱いと言われる名シーンがあります。

(物語の最後の最後なので、今回はドラマ化されませんでした。)

 

死期が迫っている赤木しげるが、

かつて共に闘った若者、ひろゆきに

最後のメッセージを送るシーンです。

何かをやろうと思っても、中々行動に出せない、

そんな若者全員に読んでほしい文章です。

※かなり長くなりますが、お付き合いください。

 

赤色 赤木しげる

黒色 ひろゆき

 


 

わけ分からないんじゃないか…?

自分でもこの9年…

何をやってるんだか………

 

赤木さんには分からない…!

へこたれる人の気持ちが分からない…!

やろう…と思っても…

最初から萎えてしまう…

心ならずも停滞してしまう…

そんな人間の気持ちが分からない…!

なぜなら…何でも出来る人だから………!

 

フフ…けどよ…

仮にそうだとしても

そういう才能みたいなことと…

命は関係ねえだろ…!

 

いわゆる凡庸なヤツの中にも

輝いてる者は沢山いる……!

だろ…?

 

そりゃあ………

 

いるさ…

いくらでもいる…!

楽しむか………

楽しまないかだけだ…!

 

楽しむ…?

 

勝負するってことよ…!

 

もう…………

勝負なんて…

勝負を楽しむなんて…

不可能でしょ…!

そんなこと……!

違いますか………?

ただ傷つくだけじゃないですか……?

そんなことしても…!

 

そうかな…

そこはひろの言う通りだとしよう…!

しかし…そんなに悪いかな………?

傷つくって…!

思うようにならず…

傷つく…っていうか…

イラつくっていうか…

そういうの………

悪くない………!

まるで悪くない…!

 

痛みを受ければ

てめえが生きてるってことを実感できるし…

何より…

「傷つき」は奇跡の素…

最初の一歩となる……!

大抵の奇跡…!

偉業は…

初めにまず傷つき…

そのコンプレックスを抱えた者が

通常では考えられぬくらいの

集中力や持続力を発揮して…

成し遂げるものだ…!

 

つまり…

天才とか言われる連中の正体は…

みなその類いの異常者…!

さらりと生きてないっ………!

あいつらもさらりと生きてない…………!

自分が勝てないなんて…

決めるなよ………!

分かったもんじゃないって…!

勝ち負けは分からない…

だいいち…いいじゃないか…!

仮に負けても………!

 

え…?

 

「何か」をして

仮にそれが…

失敗に終わってもいい…

 

そ…そりゃあ…

小さなちょっとした失敗ならいいですよ…!

でも大きく…

人生そのものに関わる…

失敗ってのは………!

 

それもいい…!

 

え?

 

いわゆる…

世間でいうところの

失敗の人生もいい…!

 

バカなっ……!

どこがいいっていうんですか………?

そんな人生の……!

失敗の人生っていったら…

つまりその…

誰にも認められず………

軽んじられ

疎まれ

嫌われる…!

軽蔑や貧窮…

そんな人生ってことでしょ………!

どこがいいっていうんですか…?

そんなのの……!

 

そいつは嫌だなぁ…

 

でしょ…!

そんなハメに陥るくらいなら………

まだ今の方が…

まとも…

っていうか…

それなり…っていうか…!

 

………やっぱりそこか……

 

は?

 

今ひろは

「今の方がまとも」って言ったが……

その「まとも」って何だ…?

 

え…?

 

平均値…

世間並みってことか………?

そういう恥ずかしくない暮らし…

ってことか…?

 

そ…それは…

 

知ってる……?

それだぜ…!

お前を苦しめてるものの正体って………!

 

はぁ…?

 

お前はその「まとも」………

「正常であろう」っていう

価値観と自分の本心…

魂との板挟みに苦しんでいたんだ…!

振り回されてきた…!

その「まとも」「正しさ」に………!

 

………

 

考えてみろよ

「正しい人間」とか

「正しい人生」とか…

それっておかしな言葉だろ…?

ちょっと深く考えると

何言ってんだか分からないぞ………!

気持ち悪いじゃないか…

正しい人間………

正しい人生なんて…!

ありはしないんだって…

そんなもの元々…!

 

ありはしないが…

それは時代時代で必ず表れ…

俺たちを惑わす…

暗雲…!

俺たちはその幻想を

どうしても振り捨てられない…!

一種の集団催眠みたいなもん………!

まやかしさ………

そんなもんに振り回されちゃいけない…!

とりあえずそれは捨てちまっていい…

そんなものと勝負しなくていい…!

そんなものに合わせなくていい…!

つまり…

そういう意味じゃ…

ダメ人間になっていい…!

 

赤木さん……

 

話しておきたかったんだ……

今日それだけは……

ひろに…!

 

赤木さん…!

 

さあ…

さあ…!

もう漕ぎだそう……!

いわゆる「まとも」から放たれた人生に………!

さあ…漕ぎだそう……!

 

無論…

気持ちは分かる…!

誰だって成功したい……!

分かりやすい意味での成功…

世間的な成功…!

金や 地位や 名誉…

権力 称賛……

そういうものに憧れる…

欲する…!

けどよ……

ちょっと顧みれば分かる…!

それは「人生そのもの」じゃない…!

そういうものは全部…

飾り…!

人生の飾りにすぎない…!

 

ただ、やること…!

その熱…

行為そのものが…

生きるってこと……!

実ってやつだ…!

分かるか…?

 

成功を目指すな……と言ってるんじゃない……!

その成否に囚われ……

思い煩い……

止まってしまうこと……

熱を失ってしまうこと…

これがまずい…!

 

こっちの方が問題だ…!

 

いいじゃないか…!

 

三流で…!

 

熱い三流なら

 

上等よ……!

 

まるで構わない……

構わない話だ…

だから…

 

恐れるなっ…!

 

繰り返す……!

 

失敗を恐れるなっ……!

 

福本伸行 作

『天 天和通りの快男児』

より引用・抜粋

 


 

私がこのシーンを初めて読んだのは、

数年前、塾で働こうかどうか、迷っていたころのことです。

 

塾講師って、なろうと思えば誰でもなれる仕事です。

病院関係者や大手企業の社員、教員を含めた公務員などと比べれば、

『それだけで尊敬されるような仕事』ではないのです。

 

それでも、この仕事をやってみようと思ったのは。

 

『この世界で勝負してみたい…!』

ただ漠然と、そう思ったからです。

 

だけども。

この業界の、トップになれるかどうか。

そんなことを考えているかどうかでいえば、考えていません。

自分は、三流です。

自分なんかより遥か高くにいる、

いわば二流・一流の人がどれだけいるかなんて、

分かっています。

 

それでも。

1人でも多くの人間を、志望校に合格させてあげられるか、どうか。

1人でも多くの人間に、自分から何か伝えられることはないか。

そんなことを考えて、日々動き、生徒と話しています。

いわばこれが、私なりの勝負です。

 

きっと多くの人が鼻で笑うかもしれませんが、

今、自分はそれなりに気持ちよく生きています。

 

 

何故こんな話をしたか。

一部の小・中学生を見ていて、たまーにもどかしくなるんですよね。

 

何故、もっと思いっきりやらないんだろう。

何故、勝てる土俵でしか闘わないんだろう。

何故、ちやほやされることしかしないんだろう。

何故、負けるのは嫌なのに大して力を尽くさないんだろう。

 

落ちこぼれそうだから、上位校は目指さない。

自分の限界を知るのが怖いから、限度いっぱいまでやらない。

解ける気がしないから、難しい問題はやらない。

 

『今の自分自身』を守れる範囲でしか行動しない。

何かそんな無意識的な自己防衛をしている子が多いような気がするんですよね。

 

でも、そんな『表面上の成功』が、人生ではない。

ただ、やること。

その行為そのものが、『生きる』こと

 

負けたっていい。

三流だっていい。

精一杯やって、勝負しよう。

その積み重ねで、きっと成長できる。

 

僕は、そんなことを、塾を通してお子さんに伝えたいです。

 

こんなバカげた話でも、熱くなって、殻を破ってくれる。

そんな関わりがお子さんとできれば、最高です。

 

 

長い駄文でしたね。

読んでくださった方々、ありがとうございました。

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